Model No.2555 JUBILEE　(1989)
Power : 100/50 Watts
Priamp=ECC83×2
Poweramp=ECC83×1 + EL34×4　
Channel :2
Master : PRESENS(B22K) BASS(A1M×2) MIDDLE(A100K) TREBLE(B220K)
　　　　 HIGH OUTPUT MASTER(LX4020 R1378850) LEAD MASTER(B220K) INPUT GAIN(LX4020 R1378850)
Input : 1
Output : 2
Revreb : ×
Send-Return : 〇
Speaker : ×
Dimensions (W x H x D)mm：735×275×210
Weight (Kg)：22.1Kg

Marshall JCM 2555 Black Jubilee は1987年にアニバーサリーモデルとして登場したシルバー・トーレックスのJubilee 2555の生産後、2555のリイシューモデルとして1988 年～1989年の2年間のみ発売されたリミテッドモデルです。

“Jubilee”の語源はユダヤ教にて50年に1度の周期で祝賀が行われることに基づき、その半分の25年または50年に1度の周期で行われる記念日から来ており、25周年をシルバージュビリー、50周年をゴールドジュビリーとされており、銀婚式、金婚式の由来ともなっています。

JCM2555は1987年、マーシャル創立25周年とジム・マーシャル音楽業界キャリア50周年を記念して、100Wと50Wの出力を合わせ持つシルバーのジュビリーが限定で販売された事からジュビリーシリーズがスタートする。また、限定販売で有った為、この時期に発売されていたJCM800シリーズのファミリーには入っていない事からJCM 2555と表記されています。

当初はただの25thアニバーサリーモデルであったが、操作性とサウンドが数々のミュージシャンから支持され、元ガンズアンドローゼスのスラッシュやボンジョビのリッチーサンボラ、元レットホットチリペッパーズのジョン・フルシアンテを始め、多くのロックギタリストに愛用されて来ました。

そしてシルバージュビリーの生産が終了した後も、多くのギタリストから再生産を望む声が上がり、その声に答えて再生産されたモデルがBlack Jubileeであり、外観は黒いがJCM2555が完全に再現されシルバージュビリーのサウンドが蘇りました。しかし、これも1988年から1989年の僅か2年間で姿を消してしまい今では大変レアなアンプとなっています。

その後、スラッシュモデルとしてサイン入りのJCM2555が再々生産されましたが、旧モデルとは仕様が異なり、あくまでもスラッシュモデルとしてのJCM2555となっています。そのためスラッシュファン以外は使う事に少々抵抗が有ります・・・。

リッチーサンボラがスラッシュモデルを使っている姿を想像したら、なんとなく違和感を感じませんか?。

操作パネルはJCM800系とは全く異なり、2555独自のセッティングスキルが必要となります。
そのため、慣れるまでは時間が必要ですが、一度決まると至高のディストーションを得ることが出来ます。

JCM2555は色々な機能を持ちながらもシンプルなバルブ構成で、通常のマーシャル100Wモデルには電源用のコンデンサが5個付いていますが、このモデルには3個しか付いていません。
またプリント基板も至ってシンプルで、このシンプルな構成からは想像もつかない多彩なサウンドを作ることが可能で、JCM2555でしか作れないサウンドが有ります。
そのため現在でも人気は高くシルバーのリイシューモデルが販売されています。

左から
① プリアンプ用バルブ ECC83
② オーバードライブ、プリアンプ用バルブ ECC83
③ フェーズシフター(位相反転)用バルブ ECC83
④～⑦ 出力用パワーバルブ EL34

気になる点は、バイアス調整用可変抵抗が一つしか付けられておらす、細かなバイアス調整ができ無い事が残念。
しかし、GT社の4本マッチングバルブは非常に精度が高いため、④33.5mA　⑤31.0mA　⑥31.0mA　⑦31.0mAと際どく浅いセッティングが可能で、究極の歪トーンが得られます。

左側に見える砲弾型の赤色LEDはクリッパーとして使われており、INPUT GAINのつまみを引くと、このクリッパーによりJCM2555特有の歪が作り出されています。